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サルベーションマウンテン 非現実社会の向こうに見えるものは?

2018-10-29

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子供のころ、ゴダイゴの名曲『ガンダーラ』という曲が好きだった。学生時代懐かしがって、カラオケでよく歌ったものだ。大人になっても、ユートピアは本当にインドにあるのだろうかとふと思う時がある。そんな非現実の世界がロサンゼルス郊外にもあったのだ!?

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その名もサルベーションマウンテン。スリフトショップではない。レオナード・ナイトという人が、30年かけて作り上げたインスタレーションと呼ばれるアートだ。”God Is Love”がテーマで、彼の意思ではなく、神の意志によって作らされた作品だとあくまで本人は言う。そんな、レオナード・ナイト氏は今年の2月に痴呆症で入院した先の病院で亡くなった。享年83歳。

日本で話題になったのは、加藤ミリヤと清水翔太の「Sakura Melody」という曲のPVで使用されたのが一つの理由だ。それ以外には、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアやトレンディ雑誌からのようだ。

とにかく、女性にはとてもかわいくてたまらない場所のようだ。まるで、ハローキティを形容するかのような「かわいい」を皆揃って口にする。たしかに、このようなオブジェやアートは日本ではまず見られないので、日本から来る方にはとても新鮮で、興味深い場所なのだろう。他にも訪れている人種を見るとヨーロッパからの若い人たちが多かった。

加藤ミリヤと清水翔太の「Sakura Melody」以外でも、イギリスのバンド、ハーツの「Somebody To Die For」のPVにも登場するし、ショーン・ペンが脚本・監督を務めた映画「Into The Wild」にも、レオナード・ナイト氏自身共々登場する。

夏は摂氏40度前後まで気温が上がる砂漠地帯にあるため、滞在できる時間もせいぜい1時間程度だが、今の秋から冬にかけてはちょうどよいだろう。こんな過酷な環境下で、30年かけてここまで作り上げたレオナード・ナイト氏に心からご冥福をお祈りしたい。

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サルベーションマウンテンの先には、スラブシティと呼ばれる集落がある。ここは、昔は避寒地として多くの人が冬を快適に過ごすために訪れたそうだが、今はおんぼろのキャンピングカーやトレーラーハウスが点々としていて、まるで文明社会からから孤立して、世捨て人になったような人たちで構成されているかのような町だ。サルベーションマウンテンの入り口の看板で写真を撮っていると、馬に乗った中年の男が近づいてきて、こう言った。

「どこから来た? 日本はどんなところだ? 楽しいか?」何か文明社会を揶揄するかのような調子で、彼は僕らを後にした。

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そして、車に乗ってサルベーションマウンテンを去ろうとした時、入ってきた時にあった石の建物に「危険!この先現実社会あり。」というメッセージがあった。なるほど、ここは彼らにとって非現実社会、まさにゴダイゴが歌っていたユートピアなのだと初めて気づいたのだった。

そんな非現実社会のスラブシティにあるサルベーションマウンテンにご興味がある方は、弊社までお問い合わせください。